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母子感染を知っていますか

母子感染を知っていますか。

何らかの微生物(細菌、ウイルスなど)がお母さんから赤ちゃんに感染することを「母子感染」と言います。母子感染には、赤ちゃんがお腹の中で感染する「胎内感染」、分娩が始まって産道を通る時に感染する「産道感染」、「母乳感染」の3つがあります。

赤ちゃんへの感染を防ぐとともにお母さん自身の健康管理に役立てるために、妊婦健診では、感染の有無を知るための検査を行います。もし、検査で感染症が見つかった場合には、赤ちゃんへの感染や将来の発症を防ぐための治療や保健指導が行われます。

主な母子感染症

HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス) 妊婦健康診査での公費負担 〇
HTLV-1に感染した人のほとんどは、ウイルスによる病気を発症することなく一生を過ごしますが、一部の人は感染してから40年以上経過した後に、成人T細胞白血病(ALT)やHTLV-1関連脊髄症(HAM)という病気になることがあります。

妊婦が感染者だった場合の母子感染は、主に母乳を介して起こります。妊婦健診が陽性であった場合には精密検査を受け、感染が分かった場合には、赤ちゃんを感染から守るための方法について医師や保健師に相談しましょう。

※埼玉県内相談機関一覧:HTLV-1相談機関[PDFファイル/140KB]
厚生労働省 妊婦さん向けリーフレット
厚生労働省 HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)に関する情報

風疹 妊婦健康診査での公費負担  〇
(特に妊娠中に気をつけたい感染症です)
妊婦が妊娠中に初めて風疹ウイルスに感染した場合、赤ちゃんに胎内感染して、聴力障害、視力障害、先天性心疾患などの症状(先天性風疹症候群)を起こすことがあります。
妊娠初期の検査で抗体価の低かった人は、下記に留意しましょう。
  • 風疹が流行している時期は、できるだけ人混みに出ないようにする。
  • 外出時はマスクをつけ、外出後は手洗いを充分行う。
  • 夫や同居の家族は抗体価の検査を行い、低い場合には予防接種をしましょう。

B型肝炎 妊婦健康診査での公費負担  〇
日本では100人に1~2名の割合でB型肝炎ウイルスを持っており、妊娠中や出産時に赤ちゃんに感染することがあります。感染しても多くは無症状ですが、まれに重い肝炎をおこすことがあり、将来、肝炎や肝硬変、肝がんになることもあります。妊婦健診でのHBs抗原検査が陽性である場合には精密検査を受け、母子感染対策について医師に相談しましょう。

C型肝炎 妊婦健康診査での公費負担  〇
赤ちゃんに感染しても多くは無症状ですが、将来、肝炎、肝硬変、肝がんになることもあります。
妊婦健診HCV抗体検査が陽性であった妊婦には、C型肝炎キャリアかどうかの検査が行われます。

HIV感染症 妊婦健康診査での公費負担  〇
HIVに感染している妊婦が母子感染予防の対策を行わないまま出産した場合、赤ちゃんが感染する可能性があります。赤ちゃんに感染して進行すると、エイズ(後天性免疫不全症候群)を発症します。

トキソプラズマ症 自己負担となります
(特に妊娠中に気をつけたい感染症です)
寄生虫の1つであるトキソプラズマによる感染症で、成人の20~30%が感染していると言われています。健康な人が感染しても、症状は起こらないか軽い症状で済みますが、妊婦が初めて感染した場合には胎児に感染し先天性トキソプラズマ症になる場合があるので、注意が必要です。
食肉は十分加熱して食べ、猫の排泄物や土いじりをする時は手袋を付け、終わったら十分手洗いをしましょう。

サイトメガロウイルス感染症 自己負担となります
(特に妊娠中に気をつけたい感染症です)
7割くらいの人は、子どもの頃に感染し、特に病気を起こすことはないウイルスです。子どもの唾液や尿などに多く存在します。妊娠中に感染すると胎児にも感染が及び、耳や脳などに障害が生じる恐れがあります。食器や歯ブラシの共有は避け、おむつ替え後は、よく手を洗いましょう。

GBS(B群溶血性連鎖球菌) 妊婦健康診査での公費負担  〇
赤ちゃんに肺炎、髄膜炎、敗血症などの重症感染症を起こすことのある細菌です。

性器クラミジア 妊婦健康診査での公費負担  〇
赤ちゃんが結膜炎や肺炎を起こすことがある細菌です。

詳しくは、国立感染症研究所のホームページを御覧下さい。